永田るいすと申します。本シナリオを同人誌に収録するにあたって、恐れ多くもタシロハヤト先生のシナリオ初稿の調整・編集を担当させていただきました。
本作のシナリオは現実の歴史的事実とオカルト、そしてクトゥルフ神話が虚実ないまぜとなった正統派伝奇シナリオとなっております。リアルなオカルトに興味のある方は、プレイしていて「あのネタをこう持ってきたか～」と言った感じで楽しんで頂けるのではないかと思います。
さて、本書を制作する中で感じたのは、タシロハヤト先生がかつてTRPGを一番プレイしていた時代と現在との、プレイスタイルの変化です。おそらく過去においては、気心の知れた仲間と集まって、時間を気にすることもなく、KPとPLとが一体となって共に一つの世界を織り上げていく……という遊び方が主流であったのではないかと思います（私もからあげ会の仲間達とはそのように遊ぶことが多々ありました）。
しかしながら昨今においてはオンラインセッションの普及もあり、そのセッションで初めて同席する相手と遊ぶということも多くなりました。全員が揃うようにプレイ時間を確保することも難しくなっています。このようなプレイ環境においてシナリオに求められるものは、「セッションが失敗にならないようガードレールを引くこと」「KPがPLを確実に導けるようサポートすること、しかも想定時間の範囲内で」ということだと考えています。そのような考えの元に、本書に収録したバージョンでは、KPがPLの行動をある程度コントロール下に置けるようシナリオの情報量や取得できる順番、そこに至る道筋を調整させていただきました。一部大きくカットすることになって心苦しく思いますが、KPをすることに慣れていない方にも遊びやすいシナリオになったのではないかと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。感想やご意見など頂戴できればとても嬉しいです！
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